桃井かおり
桃井かおりと言えば、藤田敏八監督の「赤い鳥逃げた」が初期の代表作と言うより、桃井かおりの代表作と言って良いでしょう。
イギリスのロイヤルバレエアカデミーに私費留学するほど、恵まれた家庭環境に生まれました。
桃井かおりは1952年東京生まれですが、父親が国際政治学者であり軍事アナリストでもある、桜井真氏です。
また「」釣りバカ日誌」などの脚本家桃井章氏は、桃井かおりの実兄です。
イギリスから帰国した桃井かおりは、東京バレエ団に入団したものの文学座の養成所に入り、演劇を目指すようになりました。
桃井かおりの演技を見る限り、バレエのセンスは感じませんから、バレエから演劇のほうへ転向したのは正解でしょう。
桃井かおりの映画デビューは、市川崑監督の「愛ふたたび」ですが、本格的に映画に出演したのは、岩波映画にいた、現在はジャーナリストの田原総一朗氏の1971年ATG映画「あらかじめ失われた恋人たちよ」からです。
1972年には文学座を退団し、映画女優に専念するわけですが、当時は日活全盛期で、桃井かおりも藤田敏八監督の日活で、華々しくも披露しましたが、これがきっかけで、同監督の「赤い鳥逃げた」に出演する事になります。
「赤い鳥逃げた」でも桃井かおりはいかれた若い女性の役を好演しています。
今では演技派女優として知られていますが、桃井かおりは決して芝居が上手い女優ではなく、どぎつい個性が持ち味とも言える女優で、性格俳優と言ったほうが正しいと思われます。
桃井かおりは、映画製作中にスタッフとケンカをする事でも、一時有名でしたが、この人は何か勘違いをしているようで、一言で言えば自己中心的な性格で、またそれが桃井かおりの持ち味で、それでこれまで女優を続けてきたのは、まさに驚きと言えます。
俳優座の養成所にいたわりには、舞台出演はほとんどなく、ライブに弱い事が窺えますが、芸能ネタで騒がせる割には、あまり良い作品には恵まれていません。
最近では山田洋次の「時代劇三部作」のひとつ、「武士の一分」にも主人公新之丞(木村拓也)の叔母役で出演していますが、コミカルな口うるさい役で、桃井かおりそのままと言った感じです。
桃井かおりは、デビュー当初から演技しない演技で注目されたわけで、その意味では、稀有な女優と言えますが、ただそれだけで、それ以上でもそれ以下でもありません。