松たか子

松たか子は梨園の歌舞伎役者一門の家に生まれた人で、父親はご存知松本幸四郎です。
兄は松本染五郎、姉は松本紀保です。
梨園の女性は歌舞伎に出られないため、女優の道を行く人が多いですが、尾上菊五郎の娘である寺島しのぶも同じですが、兄弟たちと比べて引けを取らないほど、舞台や映画、TVドラマに活躍しています。
松たか子は、歌舞伎の世界から比べれば比較的初舞台は遅く、1993年16歳の時に歌舞伎座公演の『人情噺文七元結』でお久の役で舞台を踏みました。
TVドラマは1994年のNHK大河ドラマ『花の乱』に、映画では、竹中直人が監督主演した『東京日和』に水谷役で1997年にデビューしました。
原作は荒木経惟と荒木陽子の「東京日和」でした。
梨園の女性の場合、歌舞伎界の後ろ盾があるせいか、恵まれた環境にあるといえる半面、難しい部分もあると言えます。
男性と違って、自ら芝居を身につけなくてはいけませんから、寺島しのぶのように、親が歌舞伎一点張りだと、一人前になるまで苦労しますが、松たか子の場合は、松本幸四郎自身が、若いうちからミュージカルの『ラ・マンチャの男』や、TVドラマに出演した事もあり、親の七光りを十分利用したともいえます。
正直松本幸四郎の娘でなければ、それほどの注目される女優とは思われません。
ただ芝居の身のつけ方を知っているというか、才能や天性の魅力がなくとも、芝居の稽古や質の高い芝居に出る事で、それなりに役者然としてくるものです。
特に舞台は発声やパントマイム的な訓練は必須ですから、その辺を松たか子は心得ていて、それなりに身につけてきました。
その代わり寺島しのぶのような迫力のある演技は出来ませんし、役者としての華もありません。
松たか子の場合、華がありませんから、三谷幸喜監督の『THE 有頂天ホテル』などの群像劇に出ると、かすんでしまいますし、『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』ではオダギリジョーや樹木希林には到底叶いませんでした。
せいぜい『HERO』でヒロイン役で、映画に花を添えるぐらいです。
映画でも舞台でも、主役を射止めるだけの存在感がまだ松たか子にはないと言えます。
TVのトレンディドラマより舞台に精を出しているのもそのためで、配役がついているだけ、恵まれていると言えるでしょう。
三谷幸喜などには気に入られているようですが、ジャンルを問わずさまざまな舞台に挑戦している松たか子の姿を見ていると、役者商売の大変さがが分かるような気がします。