中谷美紀
中谷美紀はモデル出身で女優として生き残った数少ない人です。
モデルからアイドル、そして女優と言う多くの芸能プロダクションが行なっているタレントの育て方のコースにのって、女優として大成した人ですが、最近ではすっかり女優としての貫禄を見せ始めています。
実際実力派の女優と言って差し支えなく、芝居に対するストイックなまでの精進は、他の女優には真似の出来ないものです。
中谷美紀は1976年ですから、女優として脂が乗り切ったバリバリの旬を迎えていますが、若いときよりも落ち着いた美しさがあり、綺麗になったと言えます。
中谷美紀のデビューはTVドラマが先で。
1993年フジテレビの江口洋介主演の『ひとつ屋根の下』の三船愛子役のゲスト出演でした。
翌年には日本テレビの『横浜心中』でレギュラーの上條若葉役を掴みましたから、女優としては順調な滑り出しと言えます。
映画のほうは、1995年に大森一樹監督の『大失恋。』に出演しています。
その後は東宝の『リング』『らせん』、『リング2』などホラー映画に出演して、『らせん』ではヒロイン役、『リング2』では主役に抜擢されました。
TBSテレビで1999年放映された『ケイゾク』は、中谷美紀にとって主演女優としての地位を築く上で重要な作品になりました。
コミカルな要素を持った刑事ドラマで、今までに無い中谷美紀の魅力が引き出され人気を呼びましたし、映画化もされました。
2003年には浅田次郎原作、滝田洋二郎監督の『壬生義士伝』でヒロイン役に抜擢され、第27回日本アカデミー賞の優秀助演女優賞 を獲得しました。
もはやこの頃になると、中谷美紀は実力派女優として広く認められるようになりました。
2008年には第31回日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を堤幸彦監督の『自虐の詩』で受賞し、押しも押されもしない大女優として認められました。
映画の出演が多くなるに従って、TVドラマの出演も少なくなりましたが、1999年のNHKのBS1で放送された『ゲームの達人』では、1人3役をこなす難しい役に挑むなど、作品を絞った出演スタンスになっています。
中谷美紀に欠けている女優のキャリアは、舞台だけです。
器用とはいえない中谷美紀に、一遍に色々な方に挑戦するのは大変ですが、更に上を目指すのであれば、ミュージカルや現代劇の舞台の経験を積み、役者としての引出しを一層多くして、演技に厚みをもってもらいたいものです。